大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)245号 判決

仲立人は他人間の商行為の媒介を為すを業とし、当事者間の法律行為の媒介を為すものであるから、別段の意思表示又は慣習の存しない限り仲立人は当事者間の契約の締結を惹起するを目的とする動作以外はこれをするを得ず、従つて、当事者のために契約を締結し又は当事者の代理人として契約を締結し、次いではこれが契約に基く代金を受領するが如き行為は、本来仲立人の業務に属しないことは、洵に所論のとおりであつて、原判決には果して、被告人が自己の仲立業に附随する一般周知の慣例として又は原判示浦山寿三郞との特段の契約により被告人において原判示各土地につき右浦出のためにその売買契約を締結し、又はその代理人として同契約を締結して代金を受領すべき義務があつたか何うかについて明示するところなきは勿論原判決挙示の証拠によるも、右業務の存在は必ずしも明らかでない。されば、原判決がそれにも拘らず、原判示土地代金の費消につき、漫然刑法第二百五十三条所定の業務上橫領の所為に問擬したことは、刑事訴訟法第三百七十八条第四号に所謂判決に理由を附せず、又は理由にくいちがいがあるの過誤を冒したことになり、原判決はこの点において破棄を免れない。

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